BNP AM

The sustainable investor for a changing world

BLOG, | STANDARD - 1 分で読める

2022年投資環境見通し(年央版) の要点~リセッション予想の記録~

投資家サーベイや現在の米国の利回り曲線(イールドカーブ)は、米国の景気後退の可能性が高いことを示しています。問題は、景気後退が起こるかどうかではなく、いつ起こるかということのようです。しかし、エコノミストの予測や利益成長の見通しは、景気後退がそれほど確実ではないことを示唆しています。成長率はすでに予想よりも急速に低下しているため、マーケットは中央銀行が予想していたほど政策金利を引き上げないと考え始めています。しかし、インフレが十分に後退しないと、政策金利を引き上げざるを得ないかもしれません。

多くの人々が米国の景気後退を予想していますが、株式市場やエコノミストは依然として、将来に対して楽観的なように見えます。

  • 米国債のイールドカーブの一部のモデルでは、過去に景気後退の兆しとなったポイントまで反転していません。
  • エコノミストによるコンセンサス予測は、成長率が 2023 年の第 1 四半期に 1.1% で底を打ち、来年末までに 1.6% に回復することを示しています。
  •  株式アナリストは依然として米国の利益成長を予想しています。市場コンセンサスでは、2023 年には 9% の成長と推計されています(図表 1 を参照)。景気後退に陥った場合、利益は減少に転じる可能性もあります。

利上げ期待と利回りはさらに上昇する可能性があるため、米国の株式評価は依然としてリスクにさらされている可能性がありますが、バリュエーション(評価)は現在ほぼ正常化されていると考えます。ここから先の株式リターンの主な推進力は利益成長となるはずです。

景気後退起きるかどうかでなくいつ起きる

景気後退は投資家に以下の2つの質問を投げかけるでしょう。

  • いつアロケーションを変更するべきか?
  • どのセクターやスタイルを選好するべきか?


景気後退時のS&P 500指数の平均リターンは、1946年以降で見ると、-3.0%にとどまっています。この控えめなマイナス幅は、景気後退を予想して株価が下落するのと同様に、景気後退期の終わりにはマーケットが景気回復を予想し始めるという動きを反映したものです。

歴史的に見て、ディフェンシブセクターは景気後退期に景気循環セクターをアウトパフォームしますが、金利とコモディティ価格が下がるにつれて、グロース株がバリュー株を上回る傾向があります。また、スタグフレーション(景気後退とインフレの同時進行)となった場合は、株式よりも債券に大きな打撃を与える可能性が高いと思われます(債券の見通しについては後述)。

では、スタグフレーションは起こるのでしょうか?2023年には景気後退が起こる可能性がありますが、インフレはすでに低下しているかもしれません。市場では、今後インフレは年4%に低下し、その後さらに低下すると予想されています。

ユーロ圏については、コアインフレ率が3.7%と米国の約半分の水準にとどまっているため、中央銀行の利上げによる景気後退リスクは米国よりも低いと見られます。また、ユーロ圏の株式バリュエーションは、米国に比べて魅力的です。

しかし、リスクはあります。ロシアがガス輸出を停止する可能性があります。ロシア政府は、輸出停止による財政コストは管理可能と考えるかもしれませんが、ユーロ圏にとっては、ほぼ確実に深刻な景気後退の原因となるでしょう。

より小さなリスクとして挙げられるのは、特にイタリアのような周縁国の債券市場に対する ECB の利上げの影響です。しかし、ECB による各種支援によって、イタリア国債の利回りは財政の持続性に懸念が生じる4% あたりの水準を超えないように抑えられると見ています。

中国 –困難は去った

中国株は、不動産市場の回復が遅れる懸念が明らかになるまでは、先進国に追い付く勢いでした。住宅購入者が未完成物件のローン支払いを拒否していることは、金融セクターにとって重しとなっています。パンデミックに関しては、再び感染が拡大したことで中国政府は選別的にロックダウンを行い、消費者心理や生産に打撃を与えました。

当社では、中国株にはさらに上昇余地があると考えています。前回のロックダウンからの回復は迅速でした。効果的なmRNAワクチンの流通によって、ゼロコロナ政策から早い段階で脱却することになるかもしれません。

そして重要なのは、中国株のバリュエーションが魅力的ということで、特にテクノロジーセクターの中期的な収益見通しは確信度が高いと考えています。

米国債券 – 過小評価されたリスク

米連邦準備理事会(FRB)は、需要を弱め、軟着陸(ソフトランディング)に導くのに苦労すると思われます。生産性上昇に合わせて賃金を引き上げると、景気後退を伴わなければインフレ目標は達成できないかもしれません。景気減速は助けになるかもしれませんが、インフレはまだ拡大したままです。

景気後退への懸念が市場で注目されていることは、金融引き締めとエネルギー価格の高騰がすでに経済のブレーキとして機能していることを示唆しています。今や問題は、インフレを食い止めるためにどれだけの金融引き締めが必要かということです。

FRBはできる限り迅速に、具体的に言えば、2022年末までに3.75〜4.00%のインフレ抑制が可能な領域まで政策金利を引き上げるべきです。これは、マーケットが織り込んでいる3.25%程度よりも大幅な利上げです。2023年には、追加利上げの可能性があり、実際にそれが行われると見ています。インフレは広く認識されているよりも定着していて、構造的なものと思われます。適度な景気減速では、それを打ち負かすのに十分ではないかもしれません。

金融危機(2008年)後の景気サイクルの終わりは政策金利が2.75%、コアPCEインフレが2.1%にとどまりましたが、現在の同インフレ率は4.7%であり、実質利回りはより高くなる必要があると想定しています。

景気減速の兆しとFRBの利上げ観測が同時進行する中で米国債を購入するのは、正当化されないと当社は考えます。景気減速や株式市場の下落の最初の段階でFRBが手を緩めるだろうという考えは、見当違いのように思われます。もしインフレが実際に構造的なものである場合、インフレ抑制のためには、政策金利はマーケットが現在織り込んでいるよりも長く高止まりしなければならないことを意味する可能性があります。

ECBが過度に行動する可能性

ユーロ圏のヘッドライン・インフレは9月に約9%でピークに達し、その後もリスクは上昇方向に残ると見ています。ウクライナ紛争による経済成長への影響が明らかになりつつあり、不確実性と消費者信頼感の低下によって、企業のセンチメントが悪化したことが示されています。

ECBは、9月にはインフレ見通しを上方修正しなければならない可能性があります。価格の上昇がより広範となり、賃金の上昇が始まってインフレ期待の高まりの兆候が見られる中、これまでのところ、1.25%の利上げがECBの行動の下限のように見えます。

しかしながら、仮にロシアからのガス輸入が突然停止すると、ユーロ圏はおそらく深刻な景気後退に陥るでしょう。このようなシナリオでは、エネルギー支援や低所得世帯に対する財政対応が大きくなる可能性がありますが、その影響は各経済によって一様ではありません。

現在のインフレや堅調な労働市場、そして ECB が物価安定の実現に注力していることを考えると、リスクは現在の市場予想に対して ECBが過度に利上げを行う方向に偏っていることではないかと思われます。中期的には、交易条件の変化によって雇用主が賃金を上げる余地がほとんどなくなる一方で、インフレによって消費は鈍化すると予想されます。

当資料は、BNP パリバ・アセットマネジメントグループの公式ブログ「VIEWPOINT」(英文サイト)に掲載されたDaniel Morris, Chief Market Strategist による”Mid-year outlook takeaways – Chronicle of a recession foretold”(2022 年 7 月26 日付) を翻訳したものです。

<ご留意事項>

本資料はBNP パリバ・アセットマネジメントグループの公式ブログ「VIEWPOINT」に掲載された記事を翻訳したもので、特定の金融商品の取得勧誘を目的としたものではありません。また、金融商品取引法に基づく開示書類ではありません。BNPパリバ・アセットマネジメント株式会社は、翻訳には正確性を期していますが、必ずしもその完全性を担保するものではありません。万一、原文と和訳との間に齟齬がある場合には英語の原文が優先することをご了承ください。

本資料には専門用語や専門的な内容が含まれる可能性がある点をご留意ください。本資料中の内容は作成時点の筆者の見解であり、予告なく変更する場合があります。個々のポートフォリオ運用チームは、異なる見解を持ち、顧客の特性によって異なる投資決定を行う場合があります。

過去の実績に関する数値、図表、見解や予測などを含むいかなる内容も将来の運用成績を示唆または保証するものではありません。投資した資産の価値や分配金は変動する可能性があり、投資家は投資元本を回収できない可能性があります。新興国市場、または専門的なセクター、制限されたセクターへの投資は、入手可能な情報が少なく流動性が低いため、また市場の状況(社会的、政治的、経済的状況)の変化により敏感に反応しやすいため、より不安定性があり、大きな変動を受ける可能性があります。

関連するインサイト

米国の気候変動への財政支出:そのインフレ抑制効果について
脱炭素化加速の必要性を浮き彫りにしたエネルギー安全保障への懸念
BNPPAM

ご留意事項

BNPパリバ・アセットマネジメント株式会社の運用戦略や商品は、値動きのある金融商品等を投資対象として運用を行いますので、運用ポートフォリオの運用実績は、組入れられた金融商品等の値動きの変化による影響を受けます。
また、金融商品取引業者等と取引を行うため、その業務または財産の状況の変化による影響も受けます。資産の価値の減少を含むリスクはお客様に帰属します。したがって、元金および利回りのいずれも保証されているものではありません。
運用口座や投資信託によって投資対象資産の種類や投資制限、取引市場、投資対象国等が異なることから、リスクの内容や性質が異なります。
また、ご投資に伴う運用報酬や申込み手数料、換金時手数料、保有期間中に間接的にご負担いただく費用、その他費用等及びその合計額も異なりますので、その金額をあらかじめ表示することができません。ご投資に当たっては目論見書や契約締結前交付書面を良くお読み下さい。

当社ウェブサイトに掲載の全ての情報の著作権はBNPパリバ・アセットマネジメント株式会社に帰属します。掲載情報・資料等の一部、もしくは全部を書面による許可なくして転載、複製することを禁じます。

商号 : BNPパリバ・アセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者    関東財務局長(金商)第378号
加入協会 : 一般社団法人 投資信託協会、一般社団法人 日本投資顧問業協会、日本証券業協会、一般社団法人 第二種金融商品取引業協会

Copyright @ 2022 BNP PARIBAS ASSET MANAGEMENT Japan Limited.