世界最先端を行く科学者によると、自然界は危機に瀕しています。地球上の生命のまさに屋台骨である生物多様性は驚くべき速度で失われつつあります。これは私たちのような大手金融機関にとって何を意味するのでしょう? 最も包括的な科学的評価は、「人類は不確実な未来に直面しているが、自然の多様性が代替手段を選ぶ力を支えている」としています。不確実性に直面しているいま、選択を可能にしている長期的能力の保全に努めなければ賢明な投資家とは言えません。お客様が必要とする望ましい未来を築く機会はまだありますが、その選択肢は減りつつあります。生物多様性の喪失は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」が目指す貧困、飢餓、健康、水、都市、気候、海洋、土地に関する目標のうち80%の実現を脅かしています(IPBES、2019年)。
2019年、BNPパリバ・アセットマネジメントは持続的収益を長期にわたってご提供する道筋(ロードマップ)として、「グローバル・サステナビリティ戦略(GSS : Global Sustainability Strategy)」を公表しました。本稿ではこの枠組みを足場とし、生物多様性危機に対するスタンスを改めて明確化します。
私どもは重要事項に対するスタンスをお客様にお伝えし、投資資金を任せられる相手としてご理解いただけるよう図っています。また、生物多様性問題は単独では解決できないため、同業他社や政策当局にも連携いただけるよう努めています。
本稿はこの危機に対する私どもの認識を単に記すものではありません。それ以上に重要なのは、この危機の性格や緊急性に対する見解を提示し、積極的な対応をどのように行っているかお知らせすることにあります。
「生物多様性の危機は、未曾有の規模で行われている価値破壊の物語です。私たちにとっても生命は重要であり、経済的な話だけで語れないことは十分に理解しています。しかし、いま方向を転じることができれば、経済的な予測のみを見ても、失うものよりも得るものが圧倒的に大きいと考えられます。私たちはお客様と社会のため、投資を通じてより良い未来を構築できると信じており、また構築しなければならないと考えています。」
ジェイン・アムバクシア(Jane Ambachtsheer)
グローバル・ヘッド・オブ・サステナビリティ
BNPパリバ・アセットマネジメント
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